岩崎ひろし

いわさき 広
日本共産党横浜市会議員
市会質疑・報告

横浜高速環状道路南線に関して常任委員会で質問

2014年3月17日

3月17日に開催された建築・都市整備・道路委員会で、私・岩崎が横浜高速環状道路南線に関して行った質問とそれに対する答弁は次のとおりです。

岩崎議員:横浜環状南線事業について、少し伺っていきます。
南線事業について、用地取得の目途が立たないことを理由に、法的手段を適用する、つまり土地収用法の適用をしようということが予算審議の中で出てまいりました。このこと、それから、2005年にこの南線に関して、事業評価監視委員会が「住民の理解を得ることが不可欠である」との付帯意見を明記しました。この角度からいくつか伺っていきます。
まず、予算特別委員会で道路局長が、この南線の事業を進めるにあたって、
「法的手段を適用する」ということを答弁されています。
まず、本市道路事業において、これまでのですよ、土地収用法を適用した事例、そしてそこでどれくらいの土地を土地収用法で取得しているかというのをちょっと教えて下さい。

松下建設部長:これまで、環状2号線の戸塚、東戸塚、また桂町戸塚遠藤線の下倉田町、最近においては環状4号線の公田―桂町地区で行っております。また、上白根第99号線、旭区上白根になりますけど、今、裁決を申請しているところでございます。また、面積についてはちょっと手元にはございませんけども、そんな状況でございます。

岩崎議員:面積はいいですけれども、件数は何件ずつあるんですか。

松下建設部長:件数については、環状2号線については1件、桂町戸塚遠藤線についても1件です。上白根については権利者関係2件でございます。

岩崎議員:そういうことで、本市がこれまでやってきた事業の中で収用法を適用したのはもっと他にもあるようですけども、今紹介された範囲でいっても、対象となった件数はいずれも1件ないし2件という極めて少ない状況です。
 そこで、今回こういう法的手段を適用するっていう理由として、「一部の方には未だにご理解いただけない」というこの「一部」という言い方は非常に問題だと思うんだけど、南線に限ってでいいんですけど、先行取得をしたところを除いて、交渉して取得しなければいけない土地の面積、及び今後、今後っていうのは今日以降という意味ですけど、今後取得交渉を必要とする面積、それは取得を必要とする面積のどれぐらいの割合になるんですか。

藤田横浜環状道路担当理事:南線で必要な用地の全体の面積が約48万5000㎡程ございますが、うち先行取得を除きますと、43万㎡になります。それで、これから取得する面積ですが、約9万7000㎡でございます。それで先行取得を除いた面積に対する残りの面積は23%でございます。

岩崎議員:数字だからなかなかわからないんだけど、これから交渉して、あるいは土地収用法を適用してというか、いずれにしても取得しなきゃいけない面積が9.7ヘクタールということなんですよね。これは取得しなきゃいけない面積の2割を超えている分量です。
 ちょっと例えると、横浜スタジアムの面積の6~7倍の大きさの土地をそういう方法で獲得しなければいけないということになると思うんです、これは。
 次に、南線、横浜湘南道路、上郷公田線それぞれについて、今後、そういう話し合いをして取得するか、収用法をかけるかは別にして、取得交渉が必要な宅地の数はいくつぐらいですか。

藤田横浜環状道路担当理事:南線と横浜湘南道路に関しましては、国とネクスコが事業をやっておりまして、数としては把握しておりませんが、面積は、南線は先ほどお答えしました9万7000㎡、それから横浜湘南道路が約4万8000㎡でございます。それから、上郷公田線は面積でいきますと3000㎡でございますが、取得が必要な件数にいたしますと20件でございます。

岩崎議員:土地収用法ですからね、その件数が私、非常に大事だと思うんです。件数は南線や湘南道路の方ははっきりしないということのようなんですけど、今回、今日から始まります説明会がありますね。これに案内をかけていると思うんですよ。この案内というのは、対象となる地権者の方に案内出しているわけですから、この案内は何通発送しているんですか。

藤田横浜環状道路担当理事:説明会のご案内は、土地登記簿に記載をされております所有者、それから抵当権者、また所有者死亡の場合は法定相続人に対して発送してございますが、横浜環状南線が約1000通、横浜湘南道路が約200通、上郷―公田線が約520通でございます。

岩崎議員:地権者の状態っていうのはいろいろあると思うんですけど、道路局としてはこれから進めていく上で非常に難しいと思うのは、マンションとか、ひとつの建物の中にたくさん権利者がおられるというようなのは困ると思うんですけど、マンションはどうですか。何棟位その中にあって、権利者がどれ位いらっしゃるんですか。

藤田横浜環状道路担当理事:マンション、上郷―公田線で申しますと、マンションが2棟っていいますか、複数にわたっているものも含めまして、マンション2つございまして、ひとつが区分所有者が189名おられます。もうひとつは区分所有者が265名という状態でございます。

岩崎議員:数字まで細かく伺いましたけど、この土地収用法を目標に、最終的にはそれをやっても取得しようとしているんだけど、今の時点は本市のこれまでの道路事業の実績に比べても、理解が得られていないという土地所有者の方の規模が桁違いに多いわけですよ。今まではそれなりの道路局努力して、1件とか2件とかっていうどうしても最後残るところまで話し合いを詰めてきているわけですよね。そういう点で、今回はこれちょっと桁違いっていうよりも100倍位の、100倍とかそういう規模の、ある意味抵抗にあっているわけですよ。だから、ここは、こんな簡単に、一部の理解が得られないなんて、その一部っていう言葉で表現しちゃいけないと思うんですよね。やっぱりこういう事態になっているっていうことについて、より真剣に検討してもらう必要があるっていうことだけ、これは質問じゃなくて私の意見ですから、言っておきます。

次に、この収用法かけるにあたって、案内の文章、みせてもらったんですけどね、憲法第29条3項を法的手段の根拠にしているんですよ。それはそうなんですけどね、でもこの憲法第29条っていうのは1項で何といっているかっていったら、「財産権は、これを侵してはならない」というふうにはっきり言っているわけです。これがまず前提なんです。
また、憲法第13条でいえば、「国民は、個人として尊重される」ということにして、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、最大の尊重を必要とする」というふうにうたっているわけです。
そうしますと、市長とか道路局っていうのは、事業者であると同時に、市民の利益を守らないといけないという使命ももっているわけですよ。そうすると、この憲法を持ちだして言っているんだけど、憲法もその事業者の立場と、一人ひとりの市民の利益を守るという公務員としての使命も合わせもっていないといけないと思うんだけど、土地収用法を適用するという判断をしたことについて、市民の利益を守る立場の公務員として、どうみているんですか。この点、所感伺います。

手塚道路局長:まず、ちょっと話が長くなるかもしれませんが、私もこの南線の最初の頃、ずっと地元対応をしておりまして、地元の意向を重く受け止めまして、トンネル構造を国と、そうとう調整、難儀でしたが、トンネル構造にするなり、それから排気ガスが、接地逆転層の問題があったりして、排気ガスが外に漏れ出さないようなインターチェンジの構造にしたり、コンパクトなインターチェンジを造ってみたりというようなことで、出来る限り自治体としてはやったという気持ちを強く持っております。そういう中で、80%の用地の取得が進んできているというのがひとつあります。
その中で、この南線というか、非常に社会的には非常に大きなインパクトを与えた高尾山の問題も、実は同じ圏央道の中でございます。高尾山でも、やはりトラスト運動が非常におきまして、立木トラスト、それから土地トラストということで、共有名義で権利者の数が増えて、事業を行わないようにというかたちで運動が展開されたという事実もございます。通常の横浜市の都市計画道路ではそういうことはありえないと思うんですけれども、この圏央道みたいな非常に基幹的な大きな道路になってくると、他都市でも同じような事例がございます。これは土地収用法の適用をいたしまして、すでに開通していると、同じように、あきる野もそうでございますけども。そういうような状況で非常に利便性が高まったということで、多くの方から喜ばれているというふうに私は思っております。
先ほど収用法の適用の問題について、憲法第29条の3項、それから13条の個人の尊重、保護するというお話がございました。われわれとしては、当然事業者、われわれも事業者ですから、できるだけ任意の買収で進めていきたいというふうには思っておりますけれども、やはり、憲法のもとに公共の福祉のために必要な土地収用法が認められているものというふうに考えておりますので、この土地収用法については、できるだけ使わないような方向で任意の交渉を進めていきたいという気持ちは変わっておりません。

岩崎議員:ぜひ、その使わない方向でというところの姿勢を貫いてほしいんだけど、土地というのは、これはその人、その家族にとって、かけがえのない大事な歴史を持っていると思うし、文化もあります。いろいろな思いもあります。さまざまな価値を包含したものが土地だと思うんですよ。だから、この土地を取得するわけだから、そこは十分、今、局長、お話になった憲法の精神をちゃんと踏まえてやる必要あると思うんです。何十、何百の市民の思いを、ブルドーザーで押しつぶすようなやり方をやっちゃいかんと思うんですよ。今回の土地収用法を適用しようという、そういう判断は、私は撤回すべきだということを申し上げておきたいと思うんです。

続けて、次の大項目ですけど、市長が「事業者と市は、丁寧な話し合いを重ねてきた」と、そういうふうに答弁されました、本会議で。そこで、本当にそうかなと、私、思うんですけど、沿線における住民との話し合いが、今どうなっているのかということを、ちょっと聞きたいと思うんです。
私、何回かこの間、局別審査の合間をぬって、現地3、4回訪ねました。それで、直に沿道のみなさんとも話を聞いてきました。そうすると、今、市や国との間で、地元のみなさん、話し合いを進めているようですけど、ひとつは、神戸橋付近の下越え案に対する意見交換の場が、繰り返し行われているようですね。それから、事業内容についての質問会と称して地元のみなさんがそういうような場をつくっておられるようです。国も市も対応しているということを聞いています。ということは、これ、地元との話し合いが、丁寧にやっているっていうんだけど、これまだ継続中じゃないですか。そういう認識でいいんですか。

手塚道路局長:下越え案につきましては、藤田理事の方から回答いたしますけれど、昭和63年にこの南線、事業化して、25年以上すでに経っております。その中で、先ほどもちょっと申し上げましたけども、構造、地元の意向をくんで、地下構造を多くするというようなことでありますとか、環境対策についても自治体として事業者に対して最大限の努力をするように取り組んできたということは、これは先ほども申し上げたとおりでございます。環境アセスメント上も、国のマニュアル等をはるかに超える地元、現地での実地調査をベースにして、アセスメントも実施しておりますし、ノックスの変換式も地元のデータでつくったというような、そういう意味ではその当時からしてみると、われわれとしては最大限、地元のことを配慮したアセスメントを実施したというふうに思っております。
 今回のアセスメントで一応了承されているわけですけども、まだ心配されている方がおられるということで、神戸橋の部分、それから庄戸の4丁目の方から港南台コートハウスの横を通ってトンネルに入っていくわけですけれども、その部分の出来る限り3分の2程度はまた蓋がけをしようということで、地元に提案しているところでございます。
 ですから、そういう意味からすると、われわれとしても、誠心誠意をもって、これまで臨んできていると、対応してきているということを、私の方から申し上げて、下越え案の詳細については藤田理事の方から申し上げます。

藤田横浜環状道路担当理事:先生ご指摘なのは、環状4号線の下越え案でございますけれども、これにつきましては平成25年の1月から、地域住民の方から提案された下越え案というものをベースにいたしまして、都合10回程議論を重ねてまいりました。その中では、住民の方々のご提案による検討の手順であるとか、どうやって評価をするかっていうことも、住民のご提案を踏まえて、検討をしてきてまいっております。その結果、住環境への影響ですとか、道路利用者、利便性、工事の施工性とか、用地の追加買収の必要性等々から、総合的に判断して、事業者側としては現計画の妥当性であるっていう結論を一応出しておりますけれども、今後も現計画を前提としまして、話し合いを継続していきたいということで事業者も申しておりますし、横浜市としてもそういうことで、今後も話し合いを進められるものというふうに考えております。

岩崎議員:ということは、いま現在は継続中であって、それを一方的に打ち切るというような対応はしないっていうふうに確認しておいていいんですか。

藤田横浜環状道路担当理事:事業者の方からは、下越え案というのは採用することはできないけれども、現計画をベースにしまして、より良い案にしていくための話し合いは継続をしていきたいということでございます。

岩崎議員:継続をするということで確認をしておきますが。
次に、丁寧に話し合いをしてきたっていうんだけど、私、現地行って、桂台地域、庄戸地域の住民の方10数人と話をしてきましたけどね。こういうこと言うんですよ。土地を購入した時の様子だとか、現在の思いを聞いてみたんですけど。「幹線道路が予定されている。そのための道路用地が確保されている。」、また「大船までバス道路ができるので、便利になる。」というようなことを説明受けて土地を購入したと。「高速道路が通ることは、想定外。」「環境がよい、便利になると説明されて土地を手に入れた。高速道路が通るのがわかっていたら、買わなかったかもしれない。」だいたいニュアンスは違いますけど、おおよそこういうことをみなさん共通して言いますよ。
そこで、土地購入者つまり住民の認識っていうのは、ここに一般道路、幹線道路が通るというふうにずっと思っているわけです。住み始めて以来ずっと。ところが市や国の説明は、今、高速道路の用地をここに確保しているんですというふうに説明しているわけですよね。非常に認識がはっきり食い違っているわけですよ。現地で。この食違いを当局は、どう説明しているんですか。

手塚道路局長:この問題は平成2、3年の頃から、非常に議論になって、訴訟にもなっております。横浜市から開発業者が被告ということで訴えられた裁判でございますけれども、それはもう最高裁までいって、決着して、われわれ当局の方に問題はないという結果が出ておりますので、それ以上のことを申し上げることはできないと思います。

岩崎議員:当局に問題があるということを聞いているんじゃなくて、地元のみなさんの認識と当局の説明の間には食い違いがありますねっていうことを確認しているんだけど、これ食い違っていますよね。

手塚道路局長:先ほどから申し上げてますけども、裁判の中で証人尋問等も行われ、当時の説明がどういう説明であったのかというようなことも行っております。そういうものを受けて、原告の方はそれを不服として高裁までとか最高裁まであげたわけですけれども、その結果としては被告がわれわれの考え方が通ったということで、そういう決着をしているということでございます。ですから、説明はその中で、証人尋問の中でも当時の説明は行っております。

岩崎議員:こればっかりやっているわけにはいかないんで、このくらいにしますけどね。地元のみなさんの認識と、国や市が一生懸命説明していることとは全然すれ違っているという事実だけはここではっきりしておきたいと思うんです。それ、私、現に聞いてきて、みなさん同じように言うんだから。だから、認識違うのはもうはっきりしてます。このことについては今裁判の例、出されたんで、一言言っておきますけど、それは別件でもう一回同じ裁判がやられていて、これはそのことの判定はしてないわけですよ、今度の裁判は。だから、あるともないとも言わないで、判決が確定してますので、そういう判決もあるということを言っておきます。
 それで、そういう経過があって、市長は丁寧に話し合いを進めてきたと、こうおっしゃるんだけど、地元の状況を聞くと、事業評価監視委員会が言っているように、住民の理解を得ることがこの事業を進める上では不可欠だって言っている、これを指摘との関係でいうと、およそそうなってないというふうに私は受け止めています。そのことを申し上げておきたいと思います。

私のお聞きしたいのは以上なんですけど、最後にちょっと意見を言っておきます。
高速道路が地域を通ることに、これだけ反対の声が強いっていう事実は真摯に受け止めてほしいと思うんですよ、道路局としてはね。要するに、土地収用法を念頭においてやるっていったって、その相手は、今までの事業と比べたら桁違いにたくさんいらっしゃるんだから。これだけやっぱりこのことについては受け入れられてないわけですよ。そのことを真摯に受け止めておいてほしいということがひとつと。
それから、市長は、現在の時代認識として、人口減少社会、都市基盤の保全・長寿命化が大きな課題、横浜市の財政状況の厳しさというようなことを繰り返し言われています。だから、そういう視点をもって、ぜひ今の事業をみてみる必要があると。この間、道路局も含めていわれる横環の必要論というのは、基本的にずーっと変わっていないんですよ、ここ10年程、言われる必要論は。これは、あまり説得力がないんですよ。だから、新しくこれ、必要論をもし言われるんだったら、構築して、古い効果のない必要論はいつまでも使い回しはやめて、もっと説得力があるものがあるんだったらいいんですけど、そういうものをちゃんと打ち立てて下さい。それから、やっぱり事業は見直すべきですよ、こんなものは。そういうふうに思いますので、私の意見として申し上げて、ちょっと長くなって申し訳ないんですけど、以上で終わります。

松下建設部長:先ほどの質問の中で、収用に関する案件ございまして、訂正をお願いします。白根99号線につきましては、2件と申しましたけども、地権者数、関係者が2件で、収用を今申請している件数は1件でございますので、訂正をお願いします。

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